毒キノコはプロでも見分けがつかない!危険だよ!食べたことあるから言うけど

長い夏が終わり、いよいよ秋が本格化してきましたね。

読書、紅葉、食欲、睡眠、秋と聞くと思い浮かぶ言葉は、人それぞれあるかと思います。
 
わたしは秋を感じると、毎年きのこ狩りが思い浮かびます。
 

さて皆様、突然ですが毒きのこ食べたことありますか?

ありますよ!って人は少ないと思います。
 
実は、わたし、あります…。
 
もー、どえらい大変な思いしました
 
当時はなんとも思っていなかったのですが、今思うと誰でも出来るような体験ではないですよね。
 
ていうか、誰もがしてたら困りますな。
 

ちょっと珍しい体験なので、久しぶりに思い出話を語っていきたいと思います。

毒きのこの味は苦い

 
時は遡ること22年前。当時中学生でした。
 
緑豊かな東北の田舎で、母と祖父母と四人で暮らし。
 
うちのじいちゃんは山に入ってキノコとってきたり、山菜とってきたり、かぐや姫のおじいさんの『竹取の翁』みたいな人でした。(竹はとりませんが。)
 

毎年秋になるとじいちゃんは週に何回も山に入り、家族の為に沢山きのこをとってきてましたね。

松茸なんかよくとってきて、松茸ご飯だ丸焼きだって贅沢に食べたり。今考えると恵まれてたなぁ…。

ある日、いつものように山に入ったじいちゃんは、沢山のきのこを持って帰ってきました。
 
大収穫だったので、家族みんなできのこ鍋にして、みぞれをいーっぱいかけていただきます。
 
美味しそうでしょ?うふふ
 
とってもきのこが大好きなわたしは、次から次に食べること食べること。
 
ところが、ある一口食べたところで『な~んか、苦いなぁ』と思ったんです。
 
じいちゃんに『苦いきのこあるよ』って言ったら
 
『あぁ?苦くなんかねぇ!』と怒られた。
 
母や祖母も『確かにちょっと苦いね』と言い出して、皆できのこが入ったお皿を眺めました。
 
家族みんなに『苦い』と言われたじいちゃんは、なんだかご立腹。
 
頑張って採ってきたのにケチつけられた!とでも思ったのでしょうか?
祖父はちょっと面倒くさい性格の人だったんです。
 
ムスッとして、舌打ちするじいさんに気を使って、みんなその後は無言できのこを食べ続けました。

翌日、吐いて吐いて吐きまくる

 
一夜明けた翌朝、異変が起きます
 

それまで経験したことの無いような吐き気、いや、吐き気を通り越してました。

消化器が一世一代の力を出してこむら返りしてるのか?ってくらい。嘔吐嘔吐。

朝からひたすら吐いて吐いて吐きました。
 
もうね、止まらないんです。
 
食べ物が全部出て、胃液しか出なくなっても、猛烈に吐く。
 
水も飲めない。一滴でも飲もうものなら、100倍になって吐いてしまう。命がけの水分補給になっちゃう。
 
朝から昼まで、休みなくゲーゲー吐いて、もうフラフラ。
 
口の周りは吐瀉物にまみれ、洋服が汚れようが着替えることも出来ない。
 
散々吐いた洗面器が枕がわりになってました。
 
しかも、わたしだけでなく祖母と母にも異変が。
 
祖母も朝から吐くこと吐くこと。
 
戦争時代の人だから強いのか?わたしよりはかなりマシでしたが。
 
二人でトイレを行ったり来たり。
 
いや、正確にはトイレの前で死んでいた。
 

一人ならまだしも数人が突然の下痢嘔吐。

流石にこれはおかしいぞと、家族も疑いはじめます。

思い当たるのは昨日のきのこ
 

これ絶対苦いきのこによる食中毒だから。

症状出てるのはわたし、祖母、母もちょっと具合がわるい。

この三人は『苦い』と言いながらきのこを食べていた人達。

唯一無症状なのはじいちゃん。

じいちゃんだけは『苦い』って言わなかったので、とってきた本人食べなかったんでしょうよ。毒きのこ。

じいさんに連れられ病院へ

 
散々吐きに吐ききって、だいぶ落ち着いた頃、じいちゃんと病院に行きました。
 
普通、落ち着いた頃にいくか?というツッコミを胸に秘めながら、洗面器と保険証を持って、じいちゃんの軽トラに乗ります。
 
着いたのは何故か、神経内科。 
 
普通食中毒って、救急とか…せめて内科にいかないか?
 

苦い毒きのこを苦いと言っただけで怒られ、挙げ句食中毒で瀕死。それだけでも十分過ぎるほどついてないっていうのに、よりによって神経内科の町医者に連れて来られるって。

赤ん坊に毛が生えたような中学生でも、頭に疑問符が点灯します。

でも、正直それを声に出して訴える元気もなく。

『神経内科の後ろに小さく内科って書いてあるから大丈夫だろう…』と必死に不安を払拭しながら、ヨロヨロと診察室へ。
 

一通りの診察を終えると、ロマンスグレーが素敵なお医者さんがきっぱりと

「毒きのこによる食中毒でしょうね」と誰でも見りゃ分かることを得意げに宣言されました。

ああ、よかった…。お医者さんに食中毒を認めてもらえた。これでなんとか楽になる…

きっとお医者さんはドラえもんばりのひみつ道具でも出して、今すぐこの辛さから解放してくれるはず…

朦朧とした意識の中、期待に胸を膨らませたことを今でも鮮明に覚えています。

しかし、そんな中学生のうららかな期待は2秒で淡くもぶった切られました。

「きのこ食べて食中毒ってことになると、警察きたり新聞に載ったりして大変なことになっちゃうから、食あたりってことにしておくね。」

え??????!!!!!!!いや、そんなことひとっことも頼んでないよね?

「念のため脱水予防の点滴はしておくけど、こればっかりは吐いて下痢して全部出しちゃうしか方法ないから。」

え?何その完全に自然治癒力任せな医療。ここ何時代?平成だよね?

こんだけ医療が発達して、お医者さんは人助けの神みたいに崇められてるのに、たかだかその辺に生えているきのこ一本に太刀打ちできないでどうすんのさ!?

…とは声には出せなかったんだけれど(辛すぎて)

結局彼がしてくれたことは、”念のため”の水分点滴と毒きのこによる食中毒を食あたりに捏造、いたいけな中学生の希望を粉々に打ち砕くことだけでした。

あれは、神経内科に行ったからああいう対応だったのか、毒キノコ対応全般においてそうなのかはさっぱりわかりませんが、毒きのこによる食中毒は自然治癒力に任せてなんとかするしかないという乱暴な?やり方しかないみたいなので、皆さんくれぐれも毒きのこにはご注意ください。

興味本位とかで食べたら、痛い目みますよ。

子供は特に症状が顕著に出る

毒きのこを食べたと思われる家族のうち、一番症状が酷かったのは中学生のわたしでした。
 
あの後三日程度で完全回復して、もとのピンピンしたわたしに戻ることができたものの、それでも食中毒が一番長引きました。
 
わたし、祖母、母の三人が恐らく一つずつ毒きのこを食べましたが(一人一回ずつ苦いと言っていた)、間違いなくこどものわたしが一番症状が重く回復までに時間がかかりました
 
祖母は嘔吐半日、母に至っては毒きのこで慢性便秘が解消して喜ぶ始末。
 
「今日はなんかやけにすっきりした~。毒きのこ食べると便秘楽になるならいいなぁ。」とか言って喜んでましたよ、母。
 
どんだけひどい便秘なんだ。
 
あ、念のため言っておきますが、間違っても毒きのこを便秘解消目的で摂取するようなことはしないでくださいね。(ないとは思いますが)
 
毒きのこに限らず、感染症なんかでもそうですが、子供やお年寄りは体力をかなり奪われますし、下手したら死に至ることもあります。
 
野生のきのこを採ってきて食べるときは、子供さんやお年寄りには食べさせないなど念のための対策をとるべきだ!
 
と、死にそうになった経験者からは切に思います。

プロだって見分けがつかないのよ、毒きのこ

 
ここまでお読みになった人の中には、素人が採ってきたきのこを食べるからそんな目にあうんだろう?とお思いの方いらっしゃると思います。
 
が、問題の毒きのこを採取しに行った日、じいちゃんはきのこ採りのプロと一緒に連れ立って山に入りました
 
松茸はじいちゃんでも間違いなくわかるのですが、その他のきのこは詳しくないことを本人も承知していました。
 
偶然にもじいちゃんの同級生『下野君(仮名)』が山歩きのプロだったんです。下野君の本業は農業ですが、山菜採りやきのこ採りも専門で行っているスペシャリストで、山の幸も生計の重要な柱にしておられるような人でした。
 
山から戻ってきた祖父と下野君が、うちの庭で毒きのこが混じっていないかをチェックしていたのはわたしも見ましたし、二人は十分に細心の注意を払っていた事は知っています。
 
にも関わらず、毒きのこの食中毒は発生してしまいました
 
しかも、混入していた毒きのこは1本じゃないですからね。少なくとも3本は入っていた。
 
プロが目を配っていたとしても、毒きのこによる食中毒というのは起こるんです
 
プロでも間違いが起こるんだから、きのこ図鑑片手に素人がきのこ採りして食べるとか自殺行為だから絶対やめたほうがいいいいいいいいいいいい!ですよ。本当…ゲソッ。

毎年毒きのこによる食中毒事件が起きている

2017年全国で毒きのこが原因の食中毒事件は38件報告されました。(厚生労働省調べ)
 
幸いなことに死者は出なかったとのことですが、過去十年間に5名の方が毒きのこによりお亡くなりになれています
 
これは報告された数であり、実際わたしのように医者が届け出なかったり、お医者さんに行かずに自分で対処してしまったり、はたまたうちの母みたいに便秘が良くなった程度で済んだりする人の数を考えれば、この数値の二~三倍は事件があったんじゃないかな?と。
 
厚生労働省も毒きのこへの注意喚起を行っており、食用種と有毒種の見分けは簡単にはつきにくいということを全力で訴えておられます。

画像引用:厚生労働省サイト『毒きのこによる食中毒に注意しましょう』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kinoko/
『毒キノコによる食中毒に注意しましょう』

 

自生しているきのこを見つけても、『採らない』『食べない』『人にあげない』『売らない』ようにし、きのこによる食中毒被害に遭わないよう意識的に行動していく必要があります。

いっくら食費に困っていても、素人判断できのこを採って食べたりしてはいけませんぞ!

本当に怖いんだよ…毒きのこ。。。(思い出してまたげっそりしてきた)

まとめ

人類の進化、科学の発展をもってしても今尚無くならない毒きのこによる中毒。
 
毒きのこ一本ですら、雄大な自然のなさることの前に人間ができることなんて限りがあると思わされます。
 
今でこそ時効だろうと笑って話せる話ですが、よく考えると毒きのこ食べて食中毒になったなんて大問題です。
 
都会の方はこんなことも少なくなったのでしょうが、実は山に囲まれた田舎町では、未だに多くの人が山の自然物採りを趣味にしています。
 
わたしの住む街なんて、定年すると皆山菜きのこ採り始める風習があります。
 
誰でも簡単に始められるけれど、誰でも被害に遭う可能性がある毒きのこ
 

自分達がうっかり被害者にならないためにも、本人&家族、社会の皆で危険意識を高く持っていかねばなりません

間違っても興味本位でそのへんに生えているきのことか食べちゃダメです!!!

安全な野生きのこはほんっとに美味しいんですけどね。
 

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