中学生の子供を抱える教育?ママのJADEです。こんにちは。
『やってて良かった公文式』というフレーズ、テレビなんかで良く聞きませんか?
自分が子供の頃に公文式に通った経験がないので、一年半前程まで公文式には全く興味がありませんでした。
ところが、一年半前に『学校の友達が居るからくもんに行きたい』と子供が言い出したのをきっかけに、人生で初めて公文式がなんたるかを知ることとなりました。
我が子は公文式に通って一年半になります。これくらいの長さになると、公文式ならではの良し悪しが結構見えてくる時期になります。
わたしはその昔、塾講師や家庭教師をしていました。数人の生徒を進学高校や国立大学に送り出した経験があります。
お陰でくもんの先生には『お母さんと話すときは緊張します。色々見透かされそうで…』なんて言われたりして、すっっっごく申し訳ない気持ちになります。
でも逆に『指導者経験のある人からの意見は刺激になる』とも言ってくださるので、多少なりとも普通のお母さんとはちょっと違った目線でくもん式を傍観しているんだと思います。
折角ブログを書いているので、こんなわたしならではの目線からみた『くもん式の感想』を実直に書き綴っていきたいと思います。
これからくもんにお子さんを通わせようか悩んでいる方、くもんに通っていてほかの塾を検討している方などの参考になれば幸いです。
公文式の教材・カリキュラムの特徴
✔ 習うより慣れろのプリント第一主義
公文の学習体型は一言で言うと『ひたすらプリントを解いて慣れていく』というスタイル。
学校や一般的な進学塾では『授業や指導⇒例題で練習』がセオリーですが、くもんでは全く逆『まず問題を解く⇒分からなければ先生に聞く』というやり方で勉強していきます。
わたしがくもんのプリントを見てびっくりしたことは、詳しい解き方の解説が一切ないというところです。数学なんかは特にこの傾向が顕著ですね。
『方程式』『連立方程式』などの単元ごとに、わずか数個の例題と完全解答が掲載されているだけです。それを見ながら子供たちは解き方を想像して解いて行きます。
これはくもんならではのやり方です。『習うより慣れろ』の子供の自主性や想像力を養う学習方法です。
✔ 今の学力にあった個別の指導
学校は子供のレベルに関係なく同じ内容を授業し、定期的に同じテストで学力を測ります。
くもん式はその子にあったレベルのところから学習をスタートします。実際の学年から何年も下の教材をやることも珍しくありません。
実際うちの子がくもんを始めたのは小学5年生でしたが、スタートは小学3年生教材からでした。
その子供が苦手とする地点へに戻って学習しなおすことや、出来る子は学年を超えてどんどん進んで行きます。すごい子なんて小学生で高校三年生の勉強をしています。ひょえ~
学校の授業では出来てもできなくても次にどんどん進んでいきますが、くもんの場合はそれがないので『できないところをできないままにする』ということがありません。
✔ 恒久的な基礎学力をつける
くもんは一般的な学習塾のように、学校のテストや受験などの”目の前の目標”で結果をとることを目的にカリキュラムを組んではいません。
勿論、くもんでしっかり勉強していれば、学校のテストや受験はなんの問題もなく進んでいけると思います。ですが『今学校でここやっているから、くもんでもこの単元をやりましょう』みたいな対策は一切行いません。
カリキュラムを淡々とこなしていきある程度まで進んでいくと、大学受験やその先に繋がるような基礎学力がついているという大器晩成型です。
長い目で見た学習とでもいいましょうか。学校や受験とは全く異なる独自の時間軸で進んでいきます。
ですので、目前のテストで成績を上げたいお子さんには向かないです。そういう場合は個別指導の学習塾に入れたほうが何倍も効果があると思います。
くもんのスタイルならではの良い点
✔ つまづいたところをつまづいたままにしない
さっきも書きましたが、くもんでは個別のペースで学習を進めていきます。それは学校の勉強の進ちょく度に左右されることはありません。
中学生でも小学3年生の勉強をする子もいれば、小学生で高校生の内容を学ぶ子もいます。
ここからはわたしの意見になりますが、算数と英語は『できないところをそのままにしておくとマズイことになる』教科です。
社会や理科などの暗記教科は、今習っているところが出来なくても次の単元を頑張れば点数の取り戻しは十分可能です。
しかし、算数は一回つまずくと雪だるま式にわからなくなっていきます。一次方程式⇒二次方程式⇒連立方程式のように、前に習ったことをどんどん発展させながら進んで行くからです。
英語も数学と同じで、基礎の文章構成力(文法力)ができていない状態でどんどん進むと、高度な文章になるほど全くついていけなくなります。
受験や定期テストで点を取ることを目的にした学習塾では、個々のつまずきポイントに裂ける時間は限られています。
一回何時間の時間的制約がある中で、現在進行の学校の勉強と併せて過去の苦手ポイントを克服しなくてはならない。わたしも自分の生徒への指導ではここに一番苦戦しました。
公文式はそういうことはありません。今日の課題が出来るまでは帰れないので、三時間でも四時間でもかかる時はかかります。できるようにならなければ終われないのです。
『できないことをできないままにはしない』
これは、学校の勉強に左右されないくもんならではのメリットだと思います。
✔ 学校の教科書レベルを超えたひねりのある問題
教科にもよりますが、くもんの問題ははっきりって一般的な問題集の何倍も難しいです。
特に計算問題は鬼のような面倒くささと出題量を誇っています。さらに、計算の速さや正確さが求められます。
昔うちの母が学研の先生をしていましたが、学研の問題とくもんの問題でははっきり言ってレベルが全然違います。
正直『この学年の子にここまでやらせるか…?』と思わせるような複雑な計算をしょっちゅう目にします。
くもんの問題ができるようになれば、間違いなく学校のテストなんて簡単すぎると思うようになるでしょう。
頑張って最終教材まで終わらせた子供はかなりの実力になっていはずです。十分受験に通用するような学力を得られると思います。
くもんのスタイルならではの微妙な点
✔ プリント任せで指導が行き届かない時がある
先述のとおりくもんでは解き方の指導を事前に行いません。例題を見ながら解いてみて、わからない時は先生に聞きに行くというスタイルです。
理由はよく分からずになんとなく『こんなもんかな?』とやって正解してしまうと、その何となくのまま次に進んでしまうことがあります。
我が子は結構こういうことが多いです。要領がわりと良いタイプなので解けるには解けるんです。でも、その根本的な理由や理屈は全然分かっていないなんてことが、一回や二回ではありませんでした。
これは単に先生の指導力に左右されるところではありますが、丸付けの先生がいい加減にまるをつけて途中式の間違いを見落としたりすることも原因のようです。
我が家では子供の持ち帰ったプリントを見て、親が確認するようにしています。
時々なんじゃこりゃ!?と思う解答で丸とか貰っていたりするので、そこは家で復習して指導してます。
✔ 途中式などを省略させすぎる
どこのくもんでも共通して言えることなのかはわかりませんが、くもんは算数の途中式の省略や暗算を推奨しています。
学校のような完全解答は不要で、くもん独自の解き方で書かせているケースが多いです。
暗算や省略は記憶力を鍛える訓練としてはとても良いです。ですが、間違えた時にどこを間違えたのかが見直せないという難点があります。
プラス、学校の定期テストや受験では途中式を書く事が求めらるので、学校の勉強で困惑します。
くもんに子供を入れた当初、わたしはかなりこのことに困惑し、他の親御さんに相談したりもしました。
皆さん同じように戸惑いを感じていたようですが、学校では学校のやり方、くもんではくもんのやり方でやるように言ってるそうです。
わたしは丁寧に解くことを子供や自分の生徒に指導してきました。勿論途中式も書かせますし、筆算での確認や見直しを徹底的に行うようにと伝えてきました。
だから今でも、くもんならではの速さや暗記力を求めたやり方にはいささか戸惑いを感じています。
✔ 子供に対して先生の数が少なすぎる
これも教室によって異なるのかもしれませんが、子供の量に対して先生の数が少ないのはくもんの弱点だと思います。
子供たちはプリントを解いて分からなければ質問にいく様ですが、質問するのにかなり並ばなきゃならないそうです。(うちの子供談)
くもんは教室を運営する指導者の先生と丸つけ専用の先生が常駐しています。
丸付けの先生は本当にただ添削をするだけで、指導は行いません。
教えることができる指導者の先生は大体教室に一人程度です。
これに対して子供は数十人。皆が皆わからない問題の解き方を聞きに行きます。
一人の先生がすべての子供のことをきちんと把握できているのは良いですが、並んでいる時間はかなりのロスタイムです。
めんどくさがりの性格の子(うちの子とか)は『混んでるからいいや…』と聞きに行かないなんてことも。それじゃいつまで経ってもできるようにならんだろうと。
公文式やらせるなら国数
くもんで一番生徒数が多いのは英語、逆に一番少ないのは国語だそうですが、わたしからすればくもんでやらせるべきは国語と算数(数学)だと思います。
✔ くもんの国語
特に国語は早い段階から始めておくと、中学校や高校に入ってから生きる国語力が培えるはずです。
国語は慣れがとても重要な教科です。
中学、高校の定期テストの前に国語の勉強をした時の記憶を思い出してください。どんな勉強をしましたか?
古文漢文、文法、漢字は勉強のしようもありますが、現代文などの長文問題は対策のしようがなかったと思います。
高校時代に現代文が苦手だったわたしは、先生から『とにかく量を解いて慣れろ』というアドバイスを受けました。
大学入試で求められる文章の読解力、読む速さを養う方法は慣れ以外にありません。
本を読む子は頭が良いというのはあながち間違いではなく、小さい頃から文章に慣れ親しんで居る子たちは国語が得意な傾向にあります。
くもんは膨大な量の文章を読ませます。あれだけの量の文章を抜粋して読ませ、問題を解かせることは学校や一般的な学習塾では難しいです。
カリキュラムが体系化しているくもんだからこそできることです。
塾や家庭教師派遣サービスの専用教材をそれなりに見て来ましたが、基礎力を求めるなら国語はくもん教材が一番優秀です。
ただし、受験対策として一過性で通うのには向いていません。カリキュラム自体が受験対策には全く特化していません。
あくまで長期的に習って『基礎力や絶対的な読解力』を養うのに適しています。
じゃあ受験には無意味なのかというとそれもまた違います。
くもんでそれなりに国語をやって力がついていれば、受験対策を始める時のスタートライン(基礎力)が全然違うと思います。
くもんだけで受験対策するのは心もとないですが、受験に通用するような国語のセンスは十分くもんで手に入るはずです。
✔ くもんの算数・数学
算数や数学も似たような理由でくもんをオススメしたいです。
よくくもんは『計算問題ばっかりで、文章題や図形はできるようにならない』という声を聞きますが、これは正解。
くもんの数学カリキュラムはとかく計算問題ばっかり!ひったすらに計算式を解かせます。
先にも述べましたが、その量は膨大、かつ、学校の教科書の何倍ものレベルのめんどくさい問題が出ます。
あれだけの計算を続けていれば、学校の問題はまず苦労なく解ける実力がつきますし、計算力の速さや記憶力は確実に伸びていくはずです。
うちの子はありがたいことに中学校の定期テストで常に学年一桁上位をとっていますが、数学のテスト勉強は全くしたことがありません。
くもんで難しい問題を解かされすぎて、学校の問題が簡単すぎると言っています。
特別なテスト勉強をしなくても全く困らないレベルの数学力がくもんだけでついています。
確かに文章題や図形問題はくもんの弱点だと言えるでしょう。
正直高校教材は見たことがないのでなんとも言えませんが、少なくとも中学校のレベルまではカリキュラムの大方が計算問題に偏っている印象ではあります。
でも、
文章題や図形問題も結局は計算力が必要です。文章を読んで式を立てる行為はくもんでは学びませんが、その後の式から解答を導く作業はくもんの得意領域です。
くもんだけでは残念ながら文章題や図形問題が解けるようにはなりません。これはくもんの外での学習が必要になります。
しかし、テストや受験対策で計算問題を解く練習する必要がない分、文章題や図形問題に自主学習の時間を割けます。これはくもんに通っている子の強みです。
意外に微妙なくもん英語
公文をやっている子供のお母さんとお話しする機会が何回もありましたが、皆さん口を揃えて「くもんは英語がいい!」とおっしゃいます。
でも、わたしは別意見かなあ~…
正直言って、公文式の英語カリキュラムは英会話と英語学習の中間地点の、とても宙ぶらりんなところに位置付いている印象です。
先にも書きましたが、公文式の学習方法は『想像力を働かせて解き方を見つけ出す』というスタイルをとっています。
英語ですと電子音声付のペンシルで発音を聴きながら、単元の簡単な説明と例文を見て問題を解いていくと言うやり方です。
この方法ではちゃんとした文法力、語学力、受験に十分通用する英語力をつける最短学習法にはなりません。
このやり方は駅前留学的な英会話スクールの指導方法にかなり似ています。
文の構造上のルールがぼんやりとしかわからないまま、とりあえず単語を変えて似たような文章を作るやり方です。
get used to it=慣れる のスタイル。
一応英語を特化して教えていた者として、この慣れるやり方は正しい英語の基礎に繋がらないと確信しています。
『話す為に英語を学ぶ』人には向いているけれど、学校の成績には結びつきにくい。
じゃあくもんに通っていたら英語ペラペラになるか?というと、その答えもノーです。
あくまでカリキュラムは日本独自の文法英語で、生きたネイティブの英語ではないからです。
英語は日本人には難しい語学だと言われています。世界の言語を日本人にとって習得しやすい順にレベル分けすると、英語は最難関の部類に入ります。
言葉の骨格が全く日本語と違うからです。語順やルールが全く違います。
このルールや語順体系は大変複雑で、指導者の説明解説なしに小・中学生の子供達が自分の力でプリントから読み取るにはハードルが高すぎます。
受験に繋がる英語力を養うには、体系化した英語の骨格やルールをどれだけきちんと先生が授業で伝えて教えるかが重要になってきます。慣れるのはその後です。
国語力や計算力と同じようにはいきません。想像しながら読み解くくもんならではのやり方では、絶対に基礎がグラグラになります。
実際、うちの子の周りの『くもんで英語を習っている子』は他教科をやっている子に比べて成績に結びついていない子が多いです。
総評的に見てくもんの英語は、費用対効果が低いように思います。
というわけで、我が家ではくもん英語はやらせていません。
英語を話したければあとから英会話スクールに通えばいいので、とりあえず今は家庭で英語の文法力と語彙力に集中して指導しています。
くもん式を始めるならなるべく早いほうがいい
くもんは早くから始めて長くやることでその恩恵を最大限に受けることができます。
先にも言いましたが、くもんは個別の能力に応じた地点を学びます。
実学年よりも進んだところまで行っている子は、テスト勉強なんかしなくても大丈夫です。受験期にあたふたする必要もありません。
が!実学年より低い学年のところをやっている子にとっては、学校のテストとくもんの勉強が全く繋がらない別物の勉強になってしまいます。
勿論、遡った復習という意味では有効ではあります。ゆくゆく学校の授業を追い抜けば問題ありません。
が!くもんの問題は難しいので(特に算数)、下手すると学校の授業にくもんの内容がどんどん置いていかれる可能性があります。
くもんの学習を学校のテストや受験につなげたいというのならば、なるべく早く、遅くても小学校の中学年までにはスタートさせておきたいものです。
ちなみにうちの子は始めたのが遅かったです。小五の冬から始めました。先生のお陰で一年経たないうちに学年を超えたところまで行き、今は二年先の学習をしています。
お陰でくもんの勉強が学校のテストに活きていますが、あと一年始めるのが遅かったら、多分今のように上手い具合には行かなかったと思います。
できるだけ小さなうちからくもんを始めて、時間をかけて大学受験やその先に繋がる実力をつけてやるのが理想です。
逆にいうと、中学生や高校生からスタートするのには向かないです。受験やテストなど目下に迫ったハードルがある中高生は、普通の学習塾や家庭教師の方が何倍も効果を体感できるはずです。
まとめ
長くお付き合いいただき本当にありがとうございました。書き始めたときはこんなボリュームになるとは思いませんでした。かなり忌憚なくぶった切ってしまいました。ごめんなさい、公文さん。
わたしからすると、くもんの学習スタイルというのは少し異彩を放っているように見えます。
それが強みであり、時に弱みになります。
長い目で見れば絶対にくもんは力がつきます。それは間違いないです。
ただ、学校や受験というタイムリミットがある中で、くもんの効果がどれだけ生きるかは個々の学力と継続年数に関係していると思います。
是非、お子さんや親御さんが目指そうとする場所がどこなのかをしっかり見つめて、くもんを選ぶべきか・別の道を行くかを選択されてください。
お読みいただきありがとうございました。
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