一年半程前から『秋川牧園』という会社の会員制オーガニック宅配を週に一回程度利用しています。
オーガニック系宅配といえば『オイシックス』や『大地を守る会』『パルシステム』『生活クラブ』など大手の会社が沢山ありますが、わが家が選んだのはあえてマイナー?な秋川牧園さん。
秋川牧園さんはほかの大手オーガニック系宅配に比べて小規模企業の提供するサービスですが、わたしが敢えて秋川牧園を長期に渡って利用しているのにはいくつか訳があります。
この訳を超ざっくり表現すると『秋川牧園さんなりの長所や応援したいポイントがあったから』って感じです。
今日は『秋川牧園さんを一年半利用してきた感想やレビュー』をあれこれ書き綴っていこうと思います。
秋川牧園の宅配や通販が気になる方は、良ければ参考にしてみてください。
この記事のもくじ
一度食べると他が食べられなくなる卵
秋川牧園さんと言えば養鶏でその名を知る人が多いかと思いますが、わたしは初めてこちらの卵を手にしたとき本当にびっくりしました。
まず第一に殻の頑丈さに驚きましたね。とにかく堅くてしっかりしています。その辺のスーパーで安売りしている卵とは比べ物になりません。
勿論卵を割った時の白身・黄身も全然違います。
黄身はつややかで盛り上がっていて、白身もしっかりとしています。
特に白身のしっかり感というか、ぎっしり感?にびっくりしました。
ゆで卵にして食べたときに、白身が濃く詰まっているように感じます。
そして、食べた時の臭みが市販の卵とは全然異なり、卵独特のえぐみ?臭みが少ないんです。
これは普段秋川さんの卵を食べていて、たまにほかの卵を食べたときによく実感します。
先日泊まったホテルの朝食でゆで卵が出たのですが、『臭くてとてもじゃないけれど食べれない~』と思いました。
秋川さんの卵のおいしさの秘密はその安全性
秋川牧園さんの卵は開放的な鶏舎で育てられた健康な鶏から生まれます。
生産性だけを重視した低コスト詰込み型の慣行養鶏よりも鶏がストレスを感じずに過ごせるといいます。
暗く風通しの少ない狭い鶏舎でぎゅうぎゅうに詰められて育った鶏は病気になりやすいため、世界中の養鶏場では鶏に抗生物質を混ぜたエサを当たるなどして疾病予防しています。(人間が使う抗生物質の量よりも、家畜や養鶏に使われる抗生物質の方が多いという恐ろしい世界的なデータもあります)
秋川牧園さんは鶏の飼育空間の衛生管理に最大限配慮し、鶏が健康的に過ごせる環境を実現しているので、餌に抗生物質をまぜずに鶏を飼育されています。
健康で安全性の高い鶏達の飼育をされているんですね。
そりゃ、卵がおいしいわけです。
さらに、その風味の良さの理由はとことんこだわり貫いた餌にもあるそうです。
鶏が食べるエサは非遺伝子組み換え飼料やポストハーベストフリーのみ。
生体濃縮する農薬残留問題などに細心の注意を払いながら育てられ、販売されています。
秋川さんがこの点をこだわり貫いているということは、逆を言えば手軽に手に入る一般的で安価な卵には残留農薬や遺伝子組み換え飼料の問題があるということです。
質の悪い安全性の低い餌&劣悪な生育環境=一パック98円位の安売り卵が実現可能というわけです。
秋川牧園さんの卵は一パック300円台(だったと思う)~と決して『お買い得』とは言えない価格ですが、ここまでこだわり貫いた卵をよそで買おうと思ったらもっと高いです。
ちなみに秋川牧園さんは卵だけでなく鶏肉も同じ理由で本当に美味しいです!
一度食べると安価なスーパーの鶏肉には戻れなくなります。
秋川牧園さんを選んだ理由・秋川牧園のメリット
わたしが敢えてオーガニック宅配に秋川牧園さんを選んだ訳はそのメリットが理由です。
ここからは私の考える秋川牧園さんのメリットをご紹介します。
秋川牧園の卵と鶏肉は直販が一番安い
秋川牧園のお肉や卵は他の大手オーガニック宅配サービスでも取り扱いがあります。
比較的多くの会社が取り扱っていて、わざわざ秋川さんで直販の宅配を頼まなくても手に入れることが可能です。
ただし、他で買うよりも秋川牧園さんの定期宅配で買った方が安いです。
メーカー直販なので当たり前と言ったら当たり前ですが、肉や卵は毎日の積み重ねになるので年間トータル考えると結構な差になると思っています。
取り扱い野菜が西日本産
秋川牧園では有機野菜の販売も行われています。
勿論大手のオーガニック宅配のサービスでも有機野菜は購入できますが、秋川牧園さんのお野菜の特記する特徴は産地が西日本だということ。
わたしは福島第一原発事故による放射能汚染被害地域に住んでいます。
そこまで酷い汚染でもなかったのですが、それでも事故前には無縁だった原発事故由来の放射性物質が住む地域に降り注ぎました。
2019年現在は事故当時に比べれば大気中の線量も低くなりましたし、農作物から検出される放射性物質は少なくなりました。
それでも、前代未聞の大事故が起きた事実は変わりがありません。
そこまで神経質にならなくなりましたが、できれば生涯的に食品から摂る放射能被害を減らしたいと考えています。
秋川牧園さんのお野菜はほとんどが西日本を産地としています。(多分ほぼすべてなんだけど、確実じゃないので一応“ほとんど”表現)
大手のオーガニック宅配も西日本産の野菜を取り扱い販売していますが、原発事故以来西日本の野菜には付加価値が付いたので、関東以北の野菜よりも割高で西日本の野菜を売っているところも。(足元見た商売だな~とちょっとびっくり)
秋川さんのお野菜は大手のオーガニック宅配サービスと変わらないかそれよりも安価な値段設定で販売されていますが、産地は西日本ばかり。
他で買うのに比べて安価で西日本のオーガニック野菜が手に入ります。
利益度外視の本当に頑張っている企業
これからお話しすることはメリットとは少し違う気もしますが、少し前にネットニュースで『社員の年収が最も低い企業ランキング』という内容の記事を読みました。
なんとそのランキングのワースト18位に秋川牧園さんがランクインしていたんです…
そもそもそのランキングがどういう指標や計算方法で算出されたのかが全く分からないので、一概にどうこう言うべきではないのかもしれません。
でも、企業利益だけを考えてビジネスをしたら、こんなランキングには掲載されないのでは?と思いました。
秋川牧園さんの定期宅配を頼んでいると、毎月違った商品がセールで販売されていることに気付きます。
しかし、セールという割に値引き額は数円しか安くならないんですね。
正直『これってセールっていえるの?』なんて突っ込みを入れたりもしていました。
でも、あのネットニュースを読んで秋川さんが提供してくれるほんの数円のお値引きですら、きっと壮大な企業努力の上に成り立っているんだろうなという風に考えるようになりました。
秋川牧園さん『口に入るものは間違ってはいけない』という経営理念のもとにビジネスを行っています。
本当に安全なもの、本当に体に取り入れるべきものを追及するというビジネスの在り方を継続することは、安価で安全性を無視した商品を提供することよりもずっと難しいはず。
わたしも裕福ではありませんが自分の限りあるお金をどこで使いたいか?と考えたら、秋川牧園さんのような真摯で実直な企業さんに払いたいなと思っています。
秋川牧園さんの宅配には秋川さんなりの不便なところもあります。(この後後述していきますが)
でも、多少のわずらわしさがあったとて、先述の理由でできる限り応援していきたいと思っています。
秋川牧園の弱点・デメリット
定期宅配はクレジットカードの支払いができない
秋川牧園さんの会員宅配はクレジットカードによる支払いができません。
定期宅配ではないオンラインショップではクレジットカードが使えますが、なぜか月に何回も頼む会員サービスの支払いにはカードが利用できません。
カード支払いでポイントを貯めたいわたしとしてはちょっとこれは不便。
支払方法は代引きのみ対応なので、到着前にお金を手元に用意しておかなければならないわずらわしさがあります。
最初は大したことではないと思ったのですが、毎回代引きでの到着となるとなかなか面倒になってきました。
仕方ないことだとは理解していますが、それでもこの点はちょっぴりデメリットです。
時期によっては野菜の欠品が続く
秋川牧園さんは大手のオーガニック宅配サービスに比べて、商品の入荷ネットワークが小規模なのではないかと思います。
全国の農家と契約している大手に比べ、契約農家の数も少ないのでは?と利用者側にも伝わってきます。(予測だけれど)
とわたしが考えた理由は、注文していた野菜が届かないことが結構頻繁にあったりするからです。
去年の冬は天候の影響で本当に欠品が続いて、注文したものが全然届かず、冷蔵庫に野菜が無くて困りました。
昔他の大手オーガニック宅配サービスを利用していたこともありますが、大手さんは販売予定していた野菜の入荷が無い場合、他の産地から調達して代替品を届けてくれました。
秋川さんは入荷が無ければ欠品になってしまうので、おそらく代替できるネットワークがないのではないかな?と思っています。
今年の冬は暖冬ということで野菜の欠品もとても少ないです。ほっ…
ただ、当てにしていた注文が届かないという事態は、他の大手さんに比べるとおそらく頻度がかなり高いかと思います。
まとめ
以上がわたしなりに秋川牧園さんの魅力・弱点をざっくりまとめたものになります。
本当はもっと細かいポイントが沢山あるのですが、すべてを書き始めるとおそらく膨大な量の文章になって読む方も書く方も体力を消耗しすぎるのではないか?と思い、かなりおおざっぱにまとめてみました。
一年半位秋川牧園さんの会員制宅配サービスを利用していますが、今後もわが家ではずっとお付き合いしていくつもりです。
ただ商品を買って食べる、そんな当たり前の行為をしているだけなんですが、ひたむきで真摯な姿勢が消費者側にもとにかく伝わってくるんですね。
だからこそ、味や質に結果が出ているんだと思います。
近所のスーパーに出向いて特売日に買い物をすれば、おそらく秋川牧園さんで購入する半分かそれ以下の出費で同じ量の材料が買えると思います。
なんでわざわざ高いお金を出して、東北から遠く離れた場所から(秋川牧園さんは山口県にある)商品を買う必要があるのか?
その答えは明白。熱意と心意気が違うからです。
人が食べるものを担うという使命の重さを真剣に考えているからです。
もちろん、おいしいからってのもあるけど(笑)
是非皆さんも『自分が口にするものを誰がどんな気持ちで作っているのか?』を良く知って、考えてみてほしいな~と思います。
秋川牧園さんのような企業が増え、それを応援する人が増えればいいな~と思っています。
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