ヨガを初めて何年か経過して
と思う方は少なくないと思います。
ヨガの資格の中で一番ポピュラーなのが
RYT200
『全米ヨガアライアンス200時間認定講師』
ですね。
近年日本ではRYT200認定のヨガスクールが増えて、以前よりも色々なスクールで受講・取得することができるようになりました。
以前は高額だった国内のRYT200ティーチャートレーニングも、認定校が増えたことでビジネスとしての競争が激しくなり、低価格(といってもそれなりにはするけれども…)設定で学べるスクールも多く見かけるようになりましたね。
一流スクールでは50万を超える価格設定もあるRYT200の認定TTC(ティーチャートレーニングコース)が、安い所では半額に近い金額で資格取得を目指せます。これはすごくありがたいです。
Jadey
居住地が僻地の為、関東・関西でのTTCに参加することが物理的に難しくて、近場(といっても自宅から1時間以上はかかる)で開催されたTTCを選ばざるを得なかったんです。
関東・関西まで行こうと思ったら、RYT200TTC料金の他にも莫大な交通費がかかってしまいます。
現実的に生活をしながら、高額なTTCコース代、交通費は支払えません。
「安いTTCってどうなんだろう?」と疑問に思いながらも悩みに悩んだ結果、受講代28万円くらいで資格取得を目指せるTTCに参加しました。
大手スクールなら50万。
新しい格安のスクールなら28万。
わたしがTTCのスクールを選んでいる時に、この金額の差に疑問を感じていました。
この金額の差は何なんだろう?
やはり高い一流スクールに比べて、安い新参スクールは質が悪いのでしょうか?
きっと、今RYT200のティーチャートレーニング受講を考えておられる方の中にも、そんな疑問をお持ちの方もいるかな?と思います。
というわけで、今回は
『安いRYT200は粗悪なのか?』
『お金を払って高額な一流スクールに行くべきか?』
について、お手頃なTTCに参加した人目線の意見を書かせて頂きますね。
これからヨガの先生を目指したい方、現在ヨガの先生だけれどRYT200を取得したい方の参考になれば嬉しいです。
この記事のもくじ
安い値段でRYT200が取得できる理由
わたしが参加したRYT200の認定コースの先生が『何故自分のスクールでは安く価格設定ができるのか?』についてその裏側を余すところなく教えて下さいました。
大手スクールとは大幅に異なるお手頃価格のRYT200のTTC(ティーチャートレーニングコース)が実現できるその秘密は、
①人件費
②施設利用費
③広告費
④諸経費・雑費
のカットにあるとのことでした。
指導担当の先生の数が少ない
大手スクールのTTCでは、色々な先生がインストラクターの養成に関わっています。
解剖学はA先生、ヨガ哲学はB先生、ティーチング実技はC先生とD先生…のように、複数の先生が分担して講義をしています。
そうなると、必然的にスタジオ側のでは人件費にかかるコストが増えていきます。
一方、わたしが参加していたTTCでは分野別に先生を用意せず、すべてを一人の先生でこなしていました。
200時間の全ての講義をたった一人の先生が全て網羅するんです。(すごい)
当時この先生は全国各地で同時にいくつものRYT200TTCを開催しており、月・火曜日は東京、水・木の夜は新潟、週末は仙台…のような感じで、一人で全ての講義を担当していました。
先生が「指導者人材育成のお金がかからないし、人件費が自分一人分で済む。だから、低価格で講座を開催できる」と仰られていたのが印象的でした。
すごいビジネス展開だな~と。
施設利用費を大幅にカット
わたしが毎月足しげく通っていたTTCの会場は、公民館や公共施設の会議室など公共の施設の貸会場でした。
スクール自体がスタジオや講義室を持たなかった(厳密には全国にヨガスタジオを持っていたが、わたしが通った土地にはなかった)ので、いつも公民館の一室で講義が開催されていました。
公民館の使用料なんて、精々一室数千円/日。下手したら数百円の場合もあります。
これもまた低価格のTTCを実現できる秘訣の一つなんだそうです。
マットがひけて黒板がある場所ならどこでもヨガはできるということで、敢えて安い公共の施設を使う。
こうすることで施設費をカットすることが出来るそうです。
広告費削減が物を言う
TTCの低価格化対策の一番のカギは『広告宣伝費』にあるそうです。
わたしが教わった先生は昔大手広告代理店で働いておられたそうで、大手スクールの広告費の膨大さについて熱く語っておられました。
広告費って、一般人が想像する以上に高い!日本の一流企業の広告費のお話を聞いた時は目が飛び出しそうでした。
一回の広告費だけで数千万なんてこともザラじゃないそうです。
安くTTCを提供しようとしたら広告費にはお金が使えないと先生は言っておられました。
人気のYOGA雑誌、メディア、あちらこちらで広告を展開するにはお金が必要です。
敢えてそこをカットすることで、RYT200・TTCをお手頃価格に設定できるんだとか。
思い返してみれば、わたしもこのTTCを見つけたのは広告ではなかったな~と。
インターネットで『RYT200 地名』とかで検索して、スクールのホームページを見つけたことが始まりだったと記憶しています。
諸経費・雑費を少しでも安く
ここまで紹介させていただいた人件費・施設利用費・広告費の他にも、TTC開講にあたりスクールは細々と色々な経費が必要になってきます。
わかりやすいのは教本、講師の交通費・宿泊費等です。
こういう点でも低価格のヨガスクールは節約を重ねているのが見えましたね。
先生が高速バスに揺られて遠路はるばる来るとか、遠征の宿泊は安いビジネスホテルだとか…
教科書となる教本は先生自らがパソコンで作ったものを印刷したものが配られました。
キチンと製本された教科書が配られることはありません。
スクールのウェブサイトで配信される受講者専用の講義ビデオも、先生自らがホームカメラで収録したものでした。
随所が手作り感満載で(笑)
安さの裏側にはそういう努力が隠されていました。
安いから内容も悪かったのか?
最近ある大手スクールの講師が「安くRYT200認定コースを開設しているスクールのせいで、日本のRYT200認定講師の質が落ちている」と仰られたという話を聞きました。
やはり、安かろう悪かろうなんでしょうか?
これについてのわたしの考えは
「スクールや先生によると思う」
というのが本音です。
値段ではなく内容
わたしも全てのRYT200認定校に参加したわけではないので確かなことはわかりませんが、わたし個人は値段に見合わないほどの膨大な学びを得られたと感じています。
数日間で修了できる大手スクールの単価のトレーニングコースにも何回か参加しましたけど、大手でも「有名な割にあまり有意義ではない内容のもの」「有名なだけあってすごく学びが深いもの」のどちらもがありました。
RYT200認定校で学んだことが別のスクールの授業でも生きた経験や、「基礎がしっかりしてますね?どこで学ばれましたか?」と大手のスタジオで働いていたインストラクターさんから聞かれたこともあります。
故に、一概に安かろう=悪かろうの図式が成り立つとは言えないと思っています。
指導者の質、カリキュラムがしっかりさえしていれば、大手も弱小スクールも変わらないはずです。
卒業者の質は大手よりは下がるかも
低価格のスクールの出現によってRYT200認定講師の質が低下したことが事実であるならば、もしかするとその理由は
卒業基準の甘さにあるかもしれない
と思っています。(個人的に)
新しいスクールは認定講師の輩出経験を増やすために、大手スクールの卒業認定基準よりも甘く合格させている印象がありました。
わたしは大手では受けていないのでこの辺はなんとも断言しがたいのですが、ザ・大手と呼ばれるスクールでRYT200の認定を取得したインストラクター仲間の話を聞くと、卒業試験の合格基準が自分が出た所より高いなと思います。
安い所では簡単にRYT200の認定講師になれてしまうのかもしれません。
これは、自分自身がTTCに参加していた時の同期の人たちの質でも感じたことです。
ぶっちゃけた話…同じ受講生・合格者でも質にすごい差があるなと思っていました。
真面目に一生懸命勉強し、覚えることは覚えて、課題も全部きちんとこなしている人は、卒業試験の時には立派なティーチングを披露していました。
一方で、必要な暗記をせず、ティーチングはたどたどしく、何ならカンニングペーパーを読みながら卒業試験に臨んでいる人もいました。
多分、卒業の基準は甘いと思います。大手に比べたら。
ただ、だから学べないか?と聞かれたらそれは違いますね。
真面目に勉強し、本気でやっている人は目覚ましい発展をして、知識と技術を得ていましたから。
スクールが提供する内容が問題なのではなくて、恐らく卒業生徒の質の幅が広いだけなんです。
どれだけ成長するかは生徒次第
結局のところ、安いスクールでどれだけ学び得ることができるか?は、生徒本人のやる気と素質に左右されるところがあると思います。
低価格を実現する認定校で学んだ質の高いインストラクターは沢山いるでしょう。そういう人は、場所が変わっても多くを学び、自分のものにするはずです。
残念なことに、大手スクールでは合格基準に達さないような生徒が低価格のTTCを卒業していることは事実です。
ただ、そういう人は名前だけはRYT200認定講師ですが、必ず卒業後にヨガの先生として行き詰っています。
安くRYT200を取得するか悩んでいる人へ
以上がわたくしJadeyならではの『安いRYT200スクール』についての考察でした。
もし、これを読んでくださっている方が、安いスクールでRYT200認定講師の資格を取得するか悩んでいるのであれば、わたしからのアドバイス(なんておこがましいけれど…)は
「行くのであれば、自分に高いレベルを求めて学んでいくといいですよ」
ということかな?
先にも言った通り、卒業後の出来上がりは生徒に依存するところがありますから、出たからインストラクターとして絶対成功するってわけではありません。(それはどこのヨガスクールも同じなんですけどね)
RYT200の資格を取ったからって、ヨガインストラクターとしての未来が保証されるわけではありません。
安いところ、安くないところに関わらず、200時間勉強した位では本当にわずかな事しか学ぶことができない。
多くのヨガインストラクターは、卒業後も他のTTCやワークショップに参加して更に学びを深めていますし、実践の経験を積むこともすごく大事です。
RYT200の認定講師なんて世界中には余るほどいるため、資格を取ること自体が昔ほど大きな意味をなさなくなっています。
RYT200を取得したから終わり…ではなく、自分がヨガを生業にしていきたいのであればずっと学び続けていかなければならないのが現実です。
だから、別にRYT200にそこまで大きなお金をかける必要もないと思います。
卒業後もヨガを学び続けるための費用は必要ですから、最初からわざわざ高額なスクールを選ぶ理由がもう無いんです。
ただ!!!
安いスクールでも高いスクールでも、本気で学ぶつもりで自分に厳しく行くようにだけはした方が良いです。
とりあえず養成を出ただけ…で終わってしまわないように。
「とりあえず養成に通って、時間を過ごして、なんとか卒業はした」という人に自分がならないようにだけはしてほしいな~とは、同じヨガ仲間として思います。
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