ヨガを始めてから早いもので8年経ちました。
生まれて初めてヨガクラスに参加した日は、初心者向けのクラスだったにも関わらず翌日大変な筋肉痛に苦しみ(笑)
三年毎日ヨガを続けた後、全米ヨガアライアンスのティーチャートレーニングコースに参加もしました。
途中ヨガをさぼる日もあれば、ゴリゴリに詰めてハードなヨガをして怪我をしたり、瞑想に目覚めて暇さえあれば瞑想したり…
思えばこの8年ヨガを通して本当に色々なことがありました。
今日はインストラクターの端くれJADEが「8年間ヨガをやり続けた結果どんな変化があったのか?」をテーマに、起こった変化や、逆に全く変化のなかったことなど自分の体験談を色々語らせていただきます。
ヨガは精神面・身体面様々な恩恵があると言われていますが、実際その恩恵はどのぐらい受けることができたのか?を色々語っていきますので、是非最後までお付き合いいただければと思います。
この記事のもくじ
ヨガを続けて得た利点・効果(ベネフィット)
まずはヨガを続けたことで得た利点から紹介していきます。
ヨガを続けることで得られる恩恵は人それぞれですが、わたし個人が『ヨガして変わったな~』と思うのはこんな感じです。
寝つきが良くなった
まず、寝つきがすごく良くなりました。
あとは睡眠の質もあがりました。
ヨガをした日は心地よい疲れで寝つきが良くなるのは勿論、そうでない日も『寝れない~』なんてことは殆どなくなりました。
20代の頃に不眠で悩んで病院に通っていた人とは思えないです。
恐らくこれはヨガをすることで脳に酸素と血液が十分に供給されたことによる結果だと考えています。
不眠は脳の血流不足や酸素不足も大きく関わってくるので、こういう症状にお悩みの方はヨガをやって損なことは無いと思います(^^♪
鼻呼吸の習慣がついた
身体的に大きく変わった点二つ目は、常に鼻呼吸をするようになったということ。
ヨガは鼻呼吸が基本です。
そして、鼻呼吸は免疫学的に言ってもとても重要ですし、子供の脳の成長過程においてとても重要と言われています。
(鼻呼吸の重要性については、是非↓の本を読んでいただきたいです)
でも、わたしは長いこと気付くと口が空いている人でした(苦笑‥)
昔は風邪もひきやすいし治りにくくて冬は体調管理にかなり難儀していましたが、ヨガを初めてから鼻呼吸が習慣になり風邪を引きにくくなりました。
肩こりや腰痛予防のセルフケアができるようになった
ヨガを始めてから整体やマッサージにかけるお金がかなり減りました。
ヨガの動きをうまく利用して、自分である程度の骨格的な不調は補正できるようになったからです。
勿論ヨガは医療ではないので、病気やけがを治癒することはできません。
でも、ぎっくり腰や肩こりなど筋疲労による怪我や痛みが発生する前段階をうまく察知して、深刻にならないように身体をほぐしていくのはヨガの得意分野。
結構日常的にヨガでセルフケアをしています。
お陰で痛みを事前に防いで、無理せずに乗り切れることが増えました(^^)
クヨクヨ落ち込んだり、不安に思うことが減った
ハイパーセンシティブ、クヨクヨしやすい、心配症、神経質…これはわたしの性格を表すにはぴったりの表現です。
わたしは些細なことで落ち込むし、自分に自信がないし、ちょっとしたことですぐ泣くし、ストレスの耐性がものすごく低い。
これは自分の個性で、こういう性格の根底には遺伝的な要素等も含まれているため、簡単には無くせないのが実際です。(↓の専門書にも書いてある通り…)
勿論ヨガは医療や薬ではありませんから、人の性格を変えたり疾患を治したりする効果はありません。
でも、ヨガをすることで生きにくさのふり幅が多少狭くなっている気がします。
生きにくいな~と感じるシーンは今もすごくありますが、立ち直りが早くなったり、引きずる期間が短くなっているとは実感しています。
これもまたヨガ解剖学的に説明するなら、脳の血流&酸素供給量アップや自律神経を整える効果などが大きく関わってくると言えます。
良い意味で”諦める”精神が生まれた
内面に関して一番『ヨガに出会ってよかった~』と思う変化は、良い意味で諦めを覚えられるようになったことです。
昔のわたしはとにかく努力と自己否定の塊。
「なぜ出来ないのか?」
「がんばればなんとかなる」
「もっと良い人間にならなきゃ」
「努力が一番」
「気楽に生きられるようになりたい」
「無理とは絶対に言わない」
「自分には頑張る以外に良い所がひとつもない」
まさにこんな思考が朝から晩まで頭の中をぐるぐる回っていました。
故に、いつもとにかく焦って何かに追いかけられているような気分。
自分自身をコントロールして、できるだけ完璧な人間になろうと努めていました。
そして失敗すれば泣いて落ち込んで、死ぬほどの自己嫌悪。
自分に理想を押し付け、出来ない自分を許せない…
今考えると「そんなに焦って自分を否定して、ダメな所を全部消そうとして何の意味があるんだろう?」、そんな風に思う位の頑張り屋で自己否定大好き人間でした。
故に自尊心なんてかけらもなかったです…
周りから「もっと自分を認めてあげた方が良い」なんてアドバイスされるも…
「どうやったらそれができるのかが一個もわからん!!!!!それが出来たら苦労はしない!!!!」
なんて思っていました。
数々の自己啓発本を読み漁り、自分を変えようと努力もしましたがぜ~んぜんダメ。
もがけばもがくほど自分という人間に溺れていきます。
ところが、ヨガを始めたらこういう自分に対して高いレベルを求めることや、出来ない自分を許せない自分が徐々に消えていきました。
良くも悪くも自分に対して諦められるようになったんですね。
それは向上心の欠如とか、自分を甘やかして無責任になるとかそういうのではなく、
今のままの自分でいい
と思うようになったんです。
自分の長所も短所もまるっとふくめて自分であるということを受け入れられるようになりました。
この変化を良しとするかあしとするかは個々の判断に寄りけりだと思いますけど、
わたし個人的にはすっごく生きやすくなった。
流れに任せてうまいこと人生を漂っている感じ…とでもいいますか。
肩の力を抜いて自分らしくいられるようになりました。
これはヨガをしなければ得られなかった新しい自分です。
効果がなかったこと
ヨガを習慣化したからこそ得た素晴らしいメリットもありますが、一方でヨガをしても予想に反して効果が無かったこともあります。
ここからはそんな話。
痩せるかについては疑問が残る
ヨガをすれば常にスリムで引き締まった体型を維持できるものなのかな?と考えた時期がありましたが、
実際のところはそんな夢物語はなかなか難しいのが正直なところです。
以前他の記事でも書いた通り、ヨガをしたからと言って簡単に痩せたりはしませんでした。

正確に言うと、痩せていた時期もあるし、ふっくらした時期もあるし、この八年間体重には大きな増減がありました。
でも、それはヨガをしていたから、、ではなく、偏った菜食主義に走ったり、糖質制限で急激に太ったり、年齢的に代謝が落ちる時期だったりと、ヨガとは関係ない所での生活習慣等が大きな要因であると自覚しています。
勿論ヨガをしているがゆえに筋肉がついて、引き締まったというか…「垂れないカラダ」になったとは自覚していますが、
ダイエットとしてヨガが有効なのか?という疑問はインストラクターとしてずっと持ち続けています。
ヨガをしたからこそ被った苦痛
ここまではポジティブな経験談がメインになりましたが、ここからはネガティブな経験談も書かせていただきます。
ヨガには思わぬ落とし穴もあったので、そういうところもオープンにしておきたいなと思って。
怪我をしてあちこち痛み持ちになった
ヨガに限らず、ランニングや空手などどんなスポーツも付き物なのが怪我。
わたしはヨガで結構あちこち怪我しました。
まず膝、そして背中(ここが一番ひどい)、一時ハンドスタンドに凝っていた(笑)時は手首もやりました。
ヨガは健康に良いと言われていますが、他のスポーツと同じ程度怪我のリスクがあります。
これについては過去に書いた↓の記事にて詳しく解説しているので、詳しく知りたい方はそちらをお読みください。
怪我や痛みがある時にヨガをやっていいのか?
健康になるはずのヨガで怪我をする理由
健康や美容目的でヨガをされている方が多い分、ヨガはわりと安全な運動の様なイメージがありますし、むしろ身体の痛みを緩和するくらいの印象をお持ちの生徒さんもおられますが、それは正解であり不正解でもあります。
確かに、肩こりや腰痛、頭痛など慢性的に悩んでいた痛みを改善されたという方は多くおられます。
わたし自身も肩こりが殆どなくなり、かなり快適に過ごせるようになりました。
しかし、その一方でヨガで持つことになった怪我もいくつか抱えており、その痛みはなかなか完治せずに長く付き合っているのも事実です。
恩恵もあれば損害もある、それがヨガの実際だと思います。
ヨガへの盲信で事実が見えなくなった時期がある
これは先ほどの怪我の話の伏線でもありますが、ヨガへの盲信で現実がしっかり見えていない時期があったこともお話しておきたいと思います。
これはどういうことなのか?というと、
ヨガを信じるがあまり、ヨガによる怪我ですら『身体が良い方向へ向くための必要な痛みなんだ!!』とまで思っていた時期があるというようなお話です。
漢方やカイロプラティクス、気功のような代替療法と呼ばれる世界には、メンゲン反応とよばれる好転反応の価値観があるということをご存知の方が多いかもしれません。
メンゲン反応とは、身体や物事が良くなる前に一度悪化するという考えで、過去の既往歴症状がぶり返したり、それまで痛みを感じていなかったところに痛みが出たりすることです。
わたしはわりと代替療法に熱い信用を持っている人間なので、恐らくメンゲン反応は実際にあると思っています。
ただ、そうでないただの悪化とメンゲン反応の区別というのは簡単にはつかず、時に実際に悪化しているだけなのにメンゲン反応としてとらえてしまうという危険があるとも思っています。
わたしはヨガを盲信し、ヨガは万能であると信じていた時期がありました。
有名な先生が書かれた書籍を沢山読み漁ったり、ヨガの先生の言うことはあたかも神様の言葉のように感銘を受けて受け取ったりしていました。
ヨガの世界でもこのメンゲン反応という言葉が良く使われていて、ヨガをすると『それまで淀んでいた身体が健康になる過程でメンゲン反応が出る』という表現をよく目にします。
ヨガを疑わなかったわたしはそれらの言葉を疑いなく受け取って、ヨガに起因する身体の変化、怪我のあらゆるものがメンゲンだと思っていました。
我慢して通り過ぎれば、その先には素晴らしい変化が待っていると信じていました。
しかし、わたしの痛みはただの怪我にしかすぎず、ヨガは勿論、日常生活にまで支障をきたすような痛みとして付き合う羽目になりました。
わたしに指導をしてきた先生の中には『あなたの痛みはメンゲンです』という人もいました。
つまるところ、先生すらもヨガを盲信して生徒の痛みすら怪我として疑わない人もいるのです。
これはすごく危険で愚かな行為だと思います。
こういった経験を経て、わたし自身は指導者として常に『ヨガを疑ってかかる』という目を持つことを忘れないようになりました。
そして自らの経験から、生徒さんやお友達・これを読んでくださっている皆さんには「ヨガが万能だと思って疑わない先生の話は、話半分で聞いておいてください」とアドバイスしたいと思っています。
何故それでもヨガを続けるのか?
8年間のヨガ経験を経て、わたしなりにヨガの良い所・悪い所を沢山見てきました。
結局達した結論は「ヨガは運動の一種でしかない」というものです。
一般的な運動と同じように健康効果があり心身の改善効果があるものの、一般的な運動と同じぐらい怪我のリスクもあります。
それはヨガだけが持つ魔法のパワーではなく、他の運動でも同じように持つ運動効果の範囲です。
それでは、何故わたしはヨガを続けているのか?
単に波長が自分と合うからです。
深い呼吸と共にゆっくり動いていく形態や、天候や場所を選ばずマット一枚あればいつでもどこでもできる手軽さなど、自分の生活や性格にフィットしているからです。
そして、何より気持ちが良くリラックスできる。
こういうフィーリングの合う合わないがヨガを選ぶ理由であり、あちこち痛めながらも続けている理由であります。
この記事のタイトルは『ヨガを8年続けた結果~変わったこと変わらなかったこと〜』ですが、
続けた結果、色々な経験をして、痛い目も良い目も見て、ヨガというものを俯瞰してうまく付き合うことが出来るようになった。
これがわたしの答えなのではないのかな?と思います。
コメントを残す